ガウ缶トレーニングのその後

前回お話したネロのガウ缶トレーニングのその後の話です。

最初の作業では、「ドアホンが鳴る→怖い音がする」という学習になってしまっていますので、何度かトレーニングをして、「ドアホンが鳴る→吠える→怖い音がする」というように学習させる必要があります。

ドアホンが鳴っても吠えなかった場合には、とっておきのおやつを与えてください。そうすることで「ドアホン→おやつ」という学習をさせることが可能ですので、音に対する恐怖心は消えて、逆に喜ぶようにすることもできます。

また、ガウ缶をしょっちゅう鳴らしてしまうと、最初は怖くてもだんだん慣れてしまいます。できるだけ鳴らさないようにしてください。

たとえば、ドアホンが鳴り、いつものくせで1回吠えてしまったが、「NO!」と言ったら察知して吠えなかった場合には、鳴らさないでおいたほうがよいでしょう。あるいは軽く缶をたたいたり、少しだけ傾けて小さな音を出すくらいで十分です。

もし「NO!」と言っても平気で吠え続けるようでしたら、容赦なく鳴らすべきです。

ネロの場合は1回で効いてしまいましたが、ドアホンとガウ缶を鳴らすのを繰り返し行わないといけない場合もあります。4~5回くらいで理解する犬たちもいました。逆ギレして吠え続けてしまったけれど、数回経験させたら吠えなければ鳴らないと理解でき、それで止んだ犬もいました。

缶が鳴るシステムを犬がちゃんと理解してくれたら失敗ではありません。ただし10回以上鳴らしても吠えるのをやめない場合は、音の大きさや缶を鳴らしている人との関係を見直す必要があるでしょう。

愛犬との関係の見直しやしつけについてはこのサイトが参考になると思います。 https://xn--08jl3b0671b9gl.com/

もうこれで吠えないだろうと安心していたら、2ヵ月後、ネロにガウ缶が効かなくなったと飼い主さんから連絡がありました。伺ってドアホンを鳴らすと、たしかにネロは吠えました。

様子を見るために、ネロが吠え続けるなか部屋に入り、缶を鳴らしてみるようお母さんにお願いしました。「これ、効かなくなっちゃったんですよ!」と言い訳しながら、お母さんが缶を振り下ろすと、ネロは吠えるのを止めました。

「あら、効きましたね?」と顔を見合わせるお母さんと私。「先生がいるからかしら?」なんておっしやいますが、大事なのは、鳴らしたときの気持ち。「絶対に止めてやる!」という気迫が大事なんです。

缶を鳴らす人の様子を、犬はよく観察しています。お母さんは、「今後は気合いを入れて缶を鳴らすようにします」と約束してくださいました。

その後、とあるペットホテルで偶然ネロと飼い主さんにお会いしました。ネロはおりこうに飼い主さんの横に座っていたので、最初は気が付かなかったくらいです。ホテルのスタッフの方も「ネロはおりこうになった」と証言してくれました。吠えたり噛んだりせず、見違えるようになったそうです。

生まれ変わったネロ。今度吠えたときには、本当の番犬としての仕事をしてくれるかもしれませんね!